アースシャイン/夏野雨
一秒ごとに
とどまる
時間が
抜殻として
輪郭を残し
なだらかに
連なる
呼吸と
思考
いくつかは保たれ
いくつかは置かれたまま
ふりむけば
うすい
半透明の
殻が
ひとまきの
重なった
レースの
模様のようだ
世界がいつもあたらしく目覚め続けるならば
受けわたされる熱は
熔けた
鉱石の
直視できない橙色で
空気にさらされ
表面に
皮膜を囲んでは
こらえきれず
こぼれる
そのあかるいところ
ぼくたちが
居る、とする
中心から
落ち続けて呼び合う
軌道
月は
毎秒0.136cmずつ
地球に落下し続けてい
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