心境/
奥津 強
飛んでいくふぬけたたましいを 穴に転がして
ぼくらは 一閃の 仰々しい桜になる
中途半端な 怒りに 強姦されているのは 僕
女じゃない
壁に 鳥の鳴き声
緩慢にも見える正義
飛んでいく明かりの中で 祈るように
ぼくらは ただ 前に 進む他ない
殺しあおう
適当に 愚痴りながら
慰めや諦めはないだろうし
ぼくは 第一 車輪の中で 神を見たのだ
轢かれてしまった ふぬけを
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