小集 「枯れ葉舞う丘の上で」/紫音
 
意味なんてどこにもないから書くだけで硝子色した指が震えて


深呼吸吸い込む風の匂いだけ肺をすり抜け消えてゆく丘


くちびるに暗き影だけ塗りつけて躍りだすのよサンデーブルー


Faraway 胸の膨らみ触れながら怨み沈む血溜まりの日よ


夜更けすぎ雪へと変わるため息にノイズ混じりの足音一つ


伝わらず伝わりもせず伝えもせずただ紙片へと落ちる筆先


句読点意味もなくただ打ち続け意味を分解ゴミ箱へポイッ


空き缶にそっと灰を落としても変わらないのは漂う香りと


フィナーレは決まっていても止まらない禁じられた遊びのつもりが


ごめんなさい言うだけならば楽だけど潰されるほど君は笑顔


荒れ海に投げ込んでみた思い出は跳ねもしないでトポンフワワワ

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