parallel contradiction/あすくれかおす
 
呼び声が 
何処からか聞こえるような
そんな日に立ち止まると いつも
湿った空気を感じるのは 
何故だろう
どうでもいいことさえ
何かの力を帯びていて
私は今日も 
精神のフープをたゆたって
朱に染まる空を 
玻璃ごしに 見送っている
昨日見た夢は 現実になるのでしょうか
私がそこで見たものは 
際限のない日なたの世界
反復する公園の遊具と はしゃぐ子供たち 
日だまりで眠る 真新しい猫の家族
私がそこで聞いたものは
懐かしい木霊の嘶き
さんざめく 小さき命のビブラートが
繁茂して伝わる 
故郷の森が そばにいるような
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