雪への落書き/楓川スピカ
 
まっしろな世界を見ると
落書きがしたくなるんだ
まっしろ世界にただひとりで
寝転がってひとりきりさ


からだを刺す
寒さと
何だか変な
思い出せそうで思い出せない
誰かの笑顔

刺されたまま
寝転がってひとりきり
まっしろ世界にひとりきり

まっしろ まっしろ
ひとりきり
まっしろ まっしろ
落書きをしても
まっしろまっしろ
降り止まず

そしてまた季節一巡り
僕は雪への落書きを
忘れられずに
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