盗賊/
あおば
れはどうだかしらないが
徒党を組んで夜ごとに盗みを働いて
捕まって厳しいお裁きを受けて
脱獄して
また捕まって
長い刑期を勤めて釈放されて一年後
あっけなく
流行病でなくなった
遺言で残した全身の入れ墨が今に伝える龕灯の重さを右腕で直に確認してから
明治初年に和蝋燭は一本いくらしたのだろうかと盗んだ光の価格を考えた。
タイトルは「poenique」の「即興ゴルコンダ」より。
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