ポケットにひと粒の種を/服部 剛
(十代の頃、
探していた答えは見つかったかい?)
(「見つかった」と「見つからない」の
間に伸びる道を歩いているような日々さ)
(あの頃、
まっすぐに伸ばした腕で
掴もうとしたものは、何だい?)
(腕の骨は、歪に曲がってしまった ・・・
かじかみ開いた手のひらに置いた
「空虚な果実」の皮を果てなく剥いては
いまだに「真実の種」を探している)
人と人が愛し合うというシンプルなことは
なんだかとっても複雑で
職場の休憩室の畳の上
胸に手を置き横たわれば
ホラ さまざまな人のさまざまな悪口が
低空飛行で群れる戦闘機の鈍
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)