風潮と予定調和(ニュースを見ていて思うことなど)/塩水和音
誰がどんな文脈で発した言葉なのかもすっかり忘れてしまったのですが、とても印象に残っている言葉があります。
「あらゆるものはあいまいです。それを正確にしようとするまではそうと気づかないくらいに。
そして正確なものはいつでも私たちが普段考えていることとかけ離れているので、考えを口にする時に自分がちゃんと正確な事を言えているとは一瞬たりとも考えられないのです」
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「悪い事をすると、自分の身にいつかハネ返ってくる」など、一種の理想・予定調和的世界を信じさせるように内外の人々に迫る、主に道徳的な「風潮」てのがあります。このような風潮を作る言葉には、長期的経験や論理などの背景があることは
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