ページをめくる 右の人差し指の腹で 本の左端の下までなぞって ぺりっ ページをめくる この響きがいい めくるめく季節を読み飛ばして 最後のページへ (中略) ふと 指先の感触を意識する するり とたんに何か 風が吹いたようにすり抜けてしまう 時間は 無限に流れていくけれど 生きているものたちには 限られている 時間 (「ページをめくる」部分)