あと幾日/はるこ
。
「うん、そうだね。 ごめん。」
佐希子は困ったように眼を細めながら俺を見る。
「………いや、俺こそごめん、 なんか苛ついてたみたいで。」
小さい頃から何をするにも一緒だった双子の片割れ、佐希子。
流、流、と着いてきてはよくこけていた佐希子。
進学は、一緒に東京で、住むところも一緒で、
それを信じて俺は頑張っていた。 そんなこと佐希子は何にも言ってなかったのに。
いつの頃からか兄さんと呼ぶようになった。
流、と呼ばなくなったとき、
俺達ふたりの世界は終わりを告げたんだろう。
「佐希子、お腹大事にしろよ、 青森は寒いぞ。」
「ん。 大丈夫。 弓削くんも大事に
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