月/青の詩人
起こされるのではなく 自ら目覚める朝
妙に頭が冴え 迷いのない朝
空気に全身(からだ)を浸したいから
コートを羽織り 明るみはじめた外へ
静かな寒さに 顔を上げれば
欠けていながら崇高に浮かぶ
見下ろすそなたと 一瞬目が合う
朝の中に月を見つけた
夜が まだそこにあった
時もまた 昔の名残をとどめたり
思い出にすがりついたりするのだ
そしてまた
新たな時を描いてゆく
巡りゆく 時の輪になる
君を迎えにいくよ
冷えわたる冬の中にも
春を見つけたから
(「月」より)
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