空の文字 /服部 剛
 
人生における
たくさんの願いごとを 
一から十まで書いてはみたが 
なかなか思うようにはならんので 
丸めた紙に思いのたけのすべてをつめこみ 


  えぇぃ 好きにせぃ〜〜〜 


と空に放り投げた 


丸めた紙は
すぐに 
ぽとり

地に落ちた 

見上げたまっさおな空に 



  せいぃ〜 

    せいぃ〜 

      せいぃ〜



木霊の文字の 
尻尾が消えた 







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