きっと/川口 掌
 



おととい日はあちらから昇りました
きのう日はあちらから昇りました
きょう日はあちらから昇りました
きっと
あしたもあちらから朝は訪れるでしょう

この銀杏の葉は枯れ落ちました
その銀杏の葉は枯れ落ちました
あの銀杏の葉は枯れ落ちました
きっと
ここは冬に包まれているのでしょう

この人は寂しかった
その人は寂しかった
あの人は寂しかった
きっと


お腹の空いた子猫はニャンと鳴きました
けれども何も起こりません
もう一度
お腹の空いた子猫はニャンと鳴きました
やはり何も起こりません
それでも
お腹の空いた子猫はニャンと鳴きました
きっと
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