リス/瓜田タカヤ
真冬 錆びた遊具のみの公園
太陽光源からかろうじて照射される微弱な光線は
寂れた田舎町の様々な裂け目さえをも薄く照らす
細い指がある
柔らかな皮膚がある
全ての光源を受容する
君の水面が純粋にたゆたっている
君はそう まるでリスのように
華奢で美しい
二千羽 小さな肉片のような黒い鳥が
空にあふれ 散乱し飛び交い
生と死を撹拌しているが
君は泥土の付着した毛布を頬でさすり
心地よく眠りにつく
僕はエロビデオの感覚に夢中で
急いでマッチに火をつける
そしてまた思いついたかのように日常を彷徨き
君に触れたがる
真夜中になれば地下街はチープな白夜並で
何か自分で考えた想像上の
動物物まねを真剣にやり続ける
偽薬の過剰摂取が原因である事
を信じるのに夢中で
安い日常の豚肉を過剰に食べ続ける
蒸気機関車は今までに何人の人間を弾いたのか
僕は本物のリスを本当に知っているのか。
それはリスじゃなくて
いつもの 真冬に放置された遊具だったんじゃないか
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