関節/縞田みやぎ
 
ぼくの絵には眼がないのだ
あのぎょろりとした
目玉がついていないのだ

食卓の上に
がたり がたり と
朝食が並べられていく
寝床から起き上がったぼくは
靴を履いていない
 そのことがなんだか気恥ずかしく
 椅子の下に足先を隠した
 少しも見えなくはならないのだが
 折りたたむように して
食卓の上に
これからの食事が 並べられていく

ぼくは 今朝 起きるまでに
それはそれはたくさん
たくさん 生きてきたのだろうと思う
食卓には何日か前から 生けられた花があって
もう ずいぶん先から出立し
ここに至る に しおれ始めている
がたり がたり と
冷えた
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