ぢろばたにて /
服部 剛
いくつもの古時計が
まばらな振り子を鳴らす
時の無い珈琲店
木目のテーブルに
頬杖をついて
ものを思う
いつかわたしも
衣服の抜け殻を地に遺し
空へ消える煙となろう
俯くランプの傘の下
開いたノート
眩しい余白
カップの耳に指をかけると
いつのまに
中味は空になっていた
戻る
編
削
Point
(3)