あなたなんかいらない/風音
うん、
わたしも
ほんとはもう好きじゃなかったの
もう嫌いだったの
ぜんぜん好きじゃないの
だから、
いいよ、
さよなら。
そんな言葉も、
強がりだって
見抜けるくらい、
わたしを知ってるあなたなんか
もういらない。
涙が出そうだから
ううん
もう泣いちゃいたいから
あっち行って、
ひとりで帰って。
あなたの背中は見送らない。
それが最後の思い出なんて
悲しすぎるから。
そのやさしい瞳だけ覚えていたいから。
繁華街の
夜の公園は
静かで誰もいなくて
だからわたしは
安心して
少し泣いた。
さよなら。さようなら。
明日から永遠に会えないひと。
さよなら。
大好きでした。
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