火傷/
猫のひたい撫でるたま子
薬指、首筋、恋人ってことば
みんな印をつけたがる
指輪も、爪跡も、言葉も風化してなくなってくのに
いまだけ
今日だけ
布団でだけ
それでもいいから印をつける
拘束はできない
拘束されるのを喜ぶ
なにも記せないし、
なにも手にはいらない
それが悲しくて
あたしは今日の印を焼き付ける
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