理由/湖月
 
大事にしていたものが
じつは壊す理由のできるのを待っているだけだとしても
壊れても消せないことを知っているから
いつまでもそれを前にどうしていいかわからず
目をそらして隠す


あのとき本当に大切だったものは
わたしの生きている理由だったけれど
死にたくなるような理由でもあった


今はまったく違うものをみている
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