連詩 未熟狭間/善寛。
印象が輪郭を伴い
アダルトな
情景を形成してゆく
見つめ合った対岸の先に
儚さを具象化した
華が独りで歌っている
その、潰れそうな空白に
揺らめく一億の風達は
つまらない息を飛ばしていく
感覚は麻痺し、
光は潰えて
空気は赤紫の痣をのぞかせる
明らかな線状痕
何処で何時何時何者により
齎されたかは知らぬ
答えなど自身では覗けない
誰かが
そう言っているような気がした
(ああ、)
音が、とおくなる
透明の人間たちが所々にちりばめられて
メランコリーを叫んでいる
このまし
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