北風の街/山崎 風雅
 
 さまざまな想いが込められた街角に
 熱を帯びた顔をさらして
 過ぎ去った日々を懐かしく思う
 
 若さ故の過ちは多々ある
 それは顔を背けたくなるような
 恥ずかしいこと
 それでも
 時の神はみなに平等に流れていき
 何もなかったかのように
 季節は過ぎていく
 少しでも誰かの幸せの役にたちたい
 子供の頃にあった無垢な気持ちを
 この世知辛い世の中にあっても
 失いたくない
 裏切りに恨みたい気持ちにもなったけど
 それでも、寒風の中、空を目指す雑草のように
 凛々しく、怏々として生きていこう
 そんな気持ちにさせる
 北風の街だった
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