たとえ悲しみが体を波のように満たしたとしても/風音
 

密やかに囁く
木々の擦れ合う音

朝はまだ
こんなにも早くて

この木々の下

わたしは
誰にも見られず
泣くことができる

誰も慰めず
心配もせず
手を差し伸べることもないから

安心して
嗚咽に身をまかせる

たとえ
身体中に
悲しみが打ち寄せたとしても

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