純粋正義への架橋1/チャオ
形は他人にとっても、僕と同じように見えるとは限らない。
僕の目は他人の目じゃない。
僕が指差すその方角に、陽が焼けた空がある。
僕はそれを赤という。
隣の友人も赤いねという。
かくして僕はその色を赤だと決め付ける。
目の前にあるものが赤色下屋根でないとすることも十分考えられる。
最終的な問題は個人の中にしか存在しないのにもかかわらず、その価値、意味を決めるのは社会なのだ。社会は赤色を決め、道徳を決め、ありとありえる問題をただ隠すことに躍起になっている。
戻る 編 削 Point(3)