一匙のひかり /
服部 剛
何杯かの紅茶を
飲み終えた机の上に
本の積まれた頃
小皿の上に
時計回りで倒れ萎(しな)びた
ティーパック
真ん中に置かれた
空(から)のスプーンのみが
窓から射す日を映し
周囲にひかりを
こぼしていた
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