ひかりの鳥 /
服部 剛
初出勤のバスには
4人の乗客
到着するバス停を降りて
それぞれの瞬きを胸に
それぞれの舞台へ
散らばってゆく僕等は
地上に降りた
4っつの星
体の透けた
帽子と服だけの運転手が
白い手袋でハンドルを握り
(夢の国)行きのバスは走る
たった一人
バス停に降りる時
古(いにしえ)の明日香の郷から
こちらを目指し
遠い空に翼を広げる
ひかりの鳥
仰いだ頭上に
樹木が一本
黒い枝を揺らし
待っていた
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