自由の悲しさ/海月
空に浮かぶ雲の最後を僕は知らない
誰かに聞いても答えは殺伐としていた
僕の求めている信号に気づいて欲しい
この空に飛び降りたい
何を求めて宙を飛ぶ鳥に憧れを抱き
「自由になりたい」と呟きため息を落とす
自由を手に入れて僕は孤独に気づく
解放されない無に苛立ちを覚える
遠くで奏でる吹奏楽のメロディー
普段は優しい筈なのに今は耳障り
埋まらないクロスワード
君の名前の分が埋まらないまま
他の人の名前を刻んでも他が合わない
時間だけが僕らの距離を遠ざける
僕は君と繋がりたいのになぜだろう
君はなぜ遠くに行くのだろう
真っ白なワンピースを靡かせて
人で埋まる改札を通り抜けた
僕の手には君が欲しがっていた
花が二輪握ったまま
携帯電話の他愛もないメール
大切だったって今更に気づく
僕の自由を不自由に
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