瞼/
黒田人柱
夜の淵の
とおくに浮かぶ一つの雲
煙よりも深い
炎たちがその一生を終えようとしている
知っているだろう
月明かりに照らし出された
燕が巣をつくり
とかげは土で眠る
瞼
空が少し青すぎる
瞼
海水は
いつか光り輝く
履き潰した靴底に
こびりついたチューイングガム
誰かの唾液!
頭蓋にはブレーキ痕が映し出されて
屍体は焦げつき
花の苗を植えよう
それを見た誰かが秋刀魚のことを思い出している
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