リライト:Gandou/風季
 
飴色の地盤は
不思議を綴じた歴史を詠う
黒絹が天空を翳ませ、解れた模様を編んで流す
苦笑いしつつ光の輪を頬に受け、寂しい溝に沿う路をどこまでも慕って
鍵型の角、真っ白い蹄の牛が、艶やかな車の輪を転がし、遺跡を越えて行った
鼻にかかった幾重の歌声、ひそやかに聴こえて
鞄をぶつけてやりたい
音もなくわらう
少し子供になる
鞄をぶつけてやろうか
妬ける目
濁った情で覆われたものだよ
ねえあなた、貧しい背中を診てくれないかな
応答を避ける問いが乱れる頭のなか
焼き切るという約束なの、もうすこし
虚空に浮かんだ紙飛行機の、尖端にコツンと肩を衝かれ、よろけた途端に世界が、逆さまに
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