ここから、どこかまで/pur/cran
 
あの草原を吹き抜ける風を追って
ぼくはここに来たんだ
五月雨に泣く空も
日照りに飢える田んぼも
ここにはなんでもあった
みつける度にぼくは「正」の一画を
壁に書き込んでいった

でもお願いだから
その壁を壊さないでほしかった
誰かが来て壁にぼくの知らない何かを当てた
ぼくの「正」の字は欠けていった
ここでの「発見」は呆気なく崩れた

ここだったから崩れたんだろうかと
横にいた少年に訊いた
どこでもいっしょだよと彼は答えた
それでもぼくは、ここからどこかへ通じる道を
何度でも探してまた遠くまで行こう
新しい「正」の文字を壁を刻むために
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