雪、体感温度、思い出/海月
 
少し風が寒くなる冬の訪れ
霜が土を持ち上げて
それを潰すのが好きな君

缶コーヒーを握り締めて握り締めて
小さな温もりを分かち合ったあの日

遠くで聞こえていた子供の泣き声
お母さんを探しているのかな?
僕はその視線を外すのに精一杯だったのに・・
君はその手を引いて探して
人の優しさを其処に見出した

白い桜がひらりひらりと舞って
僕らの距離を縮めていた様な気がした

何を勘違いしていたんだろう
流行の歌に躍らされないつもりだったのに
その事を君は望んでいないのに
僕は君の肩を抱き寄せて
囁いた言葉で君を傷つけた

君の去り行く足音が木霊して
僕の耳に残していく最後の温もり

これでよかったのだろうか?
君の事を考えたら僕から別れを切り出した方が良かった
初雪の冷たさが何処かありがたさを感じた
これで頬が濡れても疑われることもないから

遠くでサイレンの音が響く


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