きれいなもの/hope
(とうとう目が覚めた)
力無く涙がながれていた。
汗ばんだ頬に髪が纏わりついていた。
カーテンの隙間からオリオン座の左下で一際輝く星。見えて。
「だれもわるくないんだよ」
だから、また目を閉じてしまいたくなるの。
運命の【すごい予感】は全部がきっと、嘘。
(明日乗るバスがこなければいいのにな)
世界は今日も美しくって、それとおなじくらいの【影】だって、きっと。
窓辺で揺れるカーテンの、その【揺れかた】のように、全部がどうでもよくなってしまえばいいのにな。
(ねえ誰か…)
この美しい世界を洗って。
ひとりぼっち。
真夜中は怖いから、やっぱり目を閉じるね。
(おやすみなさい)
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