七人の話 その4/hon
 
ことのできる、騒々しい地球の失われた世界の歴史」
「たくさん並んだ本棚の本を眺めていると目まいがしてくるけど」
「そう、それでアンドロイドの話。神が自分の似姿として人間を造ったように、人間が自分の似姿たる機械人形を造ろうと欲するのは分かる話だ。古くはバベルの塔を作ったって連中だから。二十世紀の人間たちも大いに空想したみたいだよ、アンドロイドがいて人間社会と共存する未来を。しかし、それは結局空想の次元にとどまったんだな。人間たちの営為はそういう方向には進まなかったようだ。むしろ、通信ネットワークで人間をつなぐ広大な仮想の世界を形成していった」
「どんだけたくさんの人間が、これだけの本を書いたの
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