雨駆ける時/結城 森士
 
空に飛沫を上げ
雨飛ぶ

暗雲しかし
太陽の眼光
硬直した頬を打つ

漆黒の夜しかし
太陽の眼光
蒼ざめた心臓を打つ

蒼ざめた空を見上げる
蒼ざめた夜がやがて来る
それでも地平線の下で
太陽は燃えている
雨駆ける時
蒼ざめる時
その瞬間にこそ
太陽は燃えている
戻る   Point(0)