siberia/しもつき七
浸された水は
つめたく
ねがえりもできないほどに
なぜか凍みたまま
あの人ごとをさらって
いって
かなしい
のふちにいるあの人
たしかにいかされ、芽生え
一つの
さむさの中にいた
冬のにおい
どこかシベリア、
きれいなばしょでだきあえたらいいね
もう少し近いよ
少し
ice
あの人の
動物のぶぶんは温かく
ひどいことばだって浴びれずにいたから
底までゆけたのだね
あっぱく
舌のぬるさは知られちゃ
いけない
こごえるより溺れるからだをえらんだ
それでもキスは氷で
あの人は視力のない
あおい瞳をくれた
さびしい毛並み、
(siberia)
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