「空を壊すのは」/
菊尾
繰り糸を伝う雨水が
銀色に光るのは明け方の事
踊らされてもいいと
横顔が言葉を返した
知っていたい事
ひとつずつ数えたら
あんな風に結ばれる
知る必要のない事を
無視することができたなら
幸福の中に入れてもらえる
そう
言うよ
錯覚で揺れている
落ちてなんていかないよ
底へ向かって浮かぶのさ
美学が朽ちても
何度だって君は
生まれ続けるさ
空を壊すのは
海を塗り変えるのは
いつだって君だから
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