レーゾンデートル/灯和
 
水面の瞳の
 オクターブが
月面の波に
 揺れる頃
「携帯電話は
 もう、鳴らないよ。」
 君の唇が
 そう告げたのを、見た。
 朝に鈍く輝いている
 鏡の破片は
 幼き夏の日を
   照らし出せないで、いる。
   「?星?はね、
    本当は、?お日さま?の下で
    ?生きたい?と願っているから、
    星でいられるんだ。」
 此処にはないから、
 探してみても
 見つからないのは
 ついさっきまで
 夢を見ていたからか。
    君の肩があまりにも冷たくて、
    二人 身を寄せ合い
    月面の瞳の、レーソンデートル
 
     互いに求め合っていたんだ。
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