「あなた」/菊尾
 
あなたが残してくれたのは
覆ることのない事実
花束が吹かれて飛び散って
あたしはそれでも笑っていた

喉に詰まってうまく言葉にできない
感じ方を落としてしまった
けれど
あなたもこんな気持ちだったなら
少し近づけた気がするよ

あなたの中で芽吹いた事柄が
必ずしも悪いことじゃなかったんだって
あたしが証明してみせるから
あなたはそこから見届けていて
あたしの変化に気付いたら
それはあなたも変わった事になる
あたしはそれに対して喜ぶよ
あたしはクシャクシャに笑うから

移ろう事が不器用なあたし達に
行く手を遮る傘は要らない
雨粒だって愛しく思える
浄化されていく世界であたしはあなたを見つける
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