「過ぎる」/
菊尾
三時過ぎに受付で待っている
あのソファーの柔らかさ
嫌になるぐらい沈ませる
甘い事象は溶けていく
日々は虚ろに
鳴っては止んでいく
表と裏の違いにさえ気付かずに
僕の踵は低くなる
人間はもう見えない
人間のようなモノが沢山見えている
振り返っても
前を見ても
左右にさえ誰も居ないよ
全視界が君を苦しませるけど
僕はそれを可哀想だとは思わない
彼女が煙草を吸っている
小さく火玉は線を引く
僕は零れる灰の行方を眺めてる
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