朝/奥津 強
暗い 谷間に 小船が 落ちている
中には 私の 弟子達が 必死で 春本を 唱えていたが
卑猥な 旭日! 奴は 私達を 沈めるらしい
深き 隠者達が 私を 歌う 者達
”常に 脂だらけの 存在”達が 悪意を うっちゃる
どちらを 信じれば良いのか
まだ 朝は 来ぬ
死臭を 炊いては 私は がつがつと 破邪を 歌うが
助けを 呼ぶ気も 起こらぬ
手作りの 旭日! それは 私の 髪を 焼くだけだろうし
文盲達が 私を 歌にする
記すことの出来ぬ 旭日に 逆らえぬ 合掌は やはり 卑猥でしかなく
邪淫者達 奴らを 更に 深い底へ 投げ入れる
私は 死骸ではないが 心は 光が 照っている
まだ 朝は 来ぬ
”存外”という 正義達は きらめく 隠者だ
極めて 胸に 静まる 石らを 投げ入れるだろうし
第一 朝は 極めて 悪意的だ
そら 眼前は 青くなってきた
まだ 朝は来ぬ
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