婚姻すべき 絶望を 七月の前に 埋葬してしまえ/奥津 強
 
多くの婚姻を見るものの、俺には、愛の形式が分からぬ。酷く、哀れな深夜に、女を正視出来ぬ。

俺は 多くの 絶望を 愛していた
彼らの 表情の 暗さ
隠滅とした 飲み場 挫折の 明るさ 俺の 愛すべき 孤独と 婚姻する
俺は 悪魔達を 抱いた そして 罪を かぶせられる
一種の 薬か?
俺の 恋人は 常に 虚ろな あの 心地よさだ
絶望とは 本来 美であり 敗北すらも つまらない 快楽に 染め上げる

俺は 唯一の 正義を 愛するが
低俗な 絶望は 目の前に ある

偉大な人間の 定義が わかってしまう
そう 東に 顔を 向けよ
お前は 嘘を 懺悔を 近眼を ありとあらゆる 悪徳を 埋めてしまえ
お前の 手で 埋葬せよ
そして あの 六月に 集え
何も無い 日々に 絶望は 俺を 正義へと 立証させる

諦めない事だ お前の 日々に
それが どんな 裏寂れたものでも 俺は お前を 存在させられる
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