銀杏並木/いすず
 

いつも気持ちがあの頃にスリップする
あなたが笑って なかまがそばにいて
みんなでなかよく輪になってた
そのなかでひときわ目立つあなたを見ていた

どこも派手なところはないのに
はなしぶりも おだやかで
謙遜しながら 落ち着いて笑う
そんな控えめな笑顔を見ていた

冬にアイスだって、と学祭で
両手にタイヤキアイスを抱えてまっさきに見せてくれた
置いてあった焼きそばを食べてしまったら、
きみならいいよ、とさりげなく微笑った

気持ちが近くなっていっても
自然に心が溶け合うまで待っていてくれた
沢山の思い出も とてもなつかしいの

きっとあなた以外のひとに出会っても
いつでもあなたに帰るんだろうな
この 今世が終わっても

黄色に舞う 木の葉が心の窓を掠めてゆく
あなたも今 きっとどこかで微笑んでいるの



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