日々の劇場 /
服部 剛
昔より少しやわらかい指で
通勤バスの「降車ボタン」を
押すようになった
力むでもなく
緩むでもなく
ほどよい緊張で
ともにすごす
誰かとの間にたゆたう
絆の糸を結べるように
笑いと涙を織り交ぜた
少ししょっぱくて
なんの変哲もない
今日という日の
舞台の上で
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