架空少女事典/nm6
 
[あ]
明日は晴れますと断言する少女と、一概にこうとは言い切れない少女とが、嘘が上手すぎて悩み方を忘れてしまった少女の、絵になって仕方ない少女なので、大きな木の下で哀れなオレンジに照らされている少女でした。


[か]
風邪がちで偏頭痛の先端に手が届かない少女が、昨日が吹き飛ばしてしまった少女になって、くちなしの花の匂いに触る少女と、仮病とほんとうの見分けがつかなくなった少女は、こうして色鮮やかになっていく少女でした。


[さ]
最後の少女は、仕方ないことを大きく諦めてそのまま水しぶきをかきわけてゆく少女で、寸前まで止めていたことばが口をついて出てしまう少女と、先日知り合ったば
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