霧雨/松本 涼
 
褪せた面影を
湿らせていく
霧の雨


黒い舗道に足跡の
こだまを探しながら
ひび割れた時間に
僕は立つ


どんなに近くで
それとも遠くで
どれだけ君が
濡れていたとしても

それはもう
他人の夢のよう


まるで無関係な
この雨だけが
僕に今
沁み込もうとしている




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