一物抱えて笑い続けろ/猫のひたい撫でるたま子
巧妙に嘘をつくのと、本当のことを敢えて言わないのとは違うことだと思った。
本当を隠して一物抱えて軽やかに笑う
感情が鈍感なのでなく、無感情でいろと心に指令を出すほどひだひだに繊細な感情
実際に会わないときの頭ん中の気持ちは正直で、でも口に出した時に言葉は変色してでてく。
正直に話そうとすればするほど焦って、それはそれは早口の京急線のカーブのように逸れてしまって伝わらない言葉になる。そして真実を剥がれたつまんない単語だけが伝わる。
ふた巻きくらい早回しで笑ってしまう馬鹿な話が悲しくて、でもつんのめって伝えきったら名前がついたものに代わって終わりがくるんだろう。
ずっと本音を見せたいうずうずした気持ちのまま、このままなんだろう。
伝えたい、言葉にもならないくらいの真実なんて本当は存在しなくて、その空気の泡の様な儚いものを懸命に守る。
そういう愛情のやり口があるのではないかと日々疑っているのですが、
どうなんでしょう?
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