水のふしぎ /
服部 剛
目の前に
清らかな川の流れがあった
両手ですくった水を飲むと
足元の小さい花がゆっくり咲いた
村に戻り
壺に汲んで運んだ水を
器にそそいで皆にわけると
口に含んだ人のこころに
ゆっくりと花は咲き
それぞれの顔は
風の手のひらにつくられた
宝の人形にみえてきた
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