彫刻の顔 /
服部 剛
震える足でつなわたっていた
あの日揺り篭に寝かされた
「 誕生 」の地点から
いつか墓場に入る
「 死 」へと結ばれる
長い糸の吊り橋と
背後ですべてを包む
ましろい空間に
うっすら浮かぶ彫刻の
誰かの顔の輪郭は
孤独なピエロの群が
それぞれの糸をつなわたるのを
隠れて眺める親のように
( みんなおんなじだよ・・・ )
音の無い声をひびかせる
[
次のページ
]
戻る
編
削
Point
(6)