つむぎの日/サトリイハ
その全て、の似姿が水、ないし言葉、なのだとしたら、流れてゆく、雲、それらは流れてゆくのだろう、その軌跡が(世界)、はっと息をのむ視線が頷くそのあかい視線のイトは太古からのスピンドルによって紡がれていた、教授、あたしもう走らなくちゃならない、鳴らないの、カラカラと紡ぐ音、を鳴らさなくちゃ、と振り向くと欠けた緑色の柱だけ、イトを縒るよな木々の声だけ、あたしは階段を駆け下りて走り出す(スピンドル)!
初出 『新宿金魚街図鑑』
http://blog.livedoor.jp/senco_gft/archives/211692.html
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