つむぎの日/サトリイハ
図書館のベランダからふう、の数だけうろこ、ひとひらずつ吐息に包まれた言葉が浮かんでいますねと教授、似姿、とでも言うのですか、言葉、の似姿がうろこなのか、うろこ、の似姿が言葉なのか、こたえは貯水塔の中にありますのですから、千子さん、その動脈で、探してみなさい、とくとく、の拍が水のリズムと重なったときそれは、流れてくるのです、それは、千子さんの仕事です。あたしの、仕事ですか、あかい光を射す教授の視線、が確かすぎて触れそうで、す、と眼鏡の先に手を伸ばす、とあたたかく脈をうっている視線が生きている、ことを識る、意味をなくしていく、体と物たち、意味はなく、ただそこに在る、体と物たち、形ないものたち、その
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