「あたしとキミとあの満月は二日前」/菊尾
 
自覚なくリンゴみたいな顔の色
跳ねるたび、イチダン浮き上がるカラダ
片足でタン、タン、とキミのシャツ掴んで

斜面から涙の玉を転がしていくコロコロと
光に反射して弾んだりして笑っているみたい
靴ヒモを解いて空の裏側まで飛ばすような競い合い
表が出たからキミがコーラ買ってきて

縦ロール三階建てのアパートから顔をチラチラ覗かせて
ソワついているあたしの部屋も頭もぐるりかき混ぜられたみたい
窓際の手すりをピンクにしたから写真に撮ってもいいよ
急げ、散れ、四次元混沌部屋内部
キミの一歩分につき、二品は片付けるよ

晴れた日に飛ばした願い事だらけの紙飛
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